ラクマはなぜ偽物だらけなのか?安すぎる偽物ブランド品の特徴と確認方法7選!
ラクマは楽天株式会社が運営するフリマアプリで、メルカリに次ぐ人気を誇っています。
アプリダウンロード数(2023年2月時点)で比べると、メルカリの約7,500万に対してラクマは約3,500万とやや集客力で劣ります。
しかし、販売手数料はメルカリの10%に対してラクマは6%と安いので、コスパ重視のユーザーに人気です。
そのラクマで、偽物ブランド品が多く販売されているという話がありますが、実際のところはどうなのでしょうか?
自分では本物と思って出品しても偽物だった、ということもあり得ますのでブランド品の取扱いには注意が必要です。
今回の記事では、ネット販売において偽物ブランドが販売されている背景や、その対処法を解説します。
販売・購入のどちらの立場にあっても必要な知識ですので、最後まで読んで参考にしてください。
この記事の監修者:未来来来合同会社代表|水田宗孝
1976年生まれ。コナミ→Sony→CAPCOM→グリー→バンダイナムコと大手ゲーム会社を5社経験しその後、無在庫物販で副業をスタート。2020年に月利70万円を突破し独立。その後2021年に未来来来合同会社を設立。
「物販オンラインスクール『NOAHコミュニティ』」を発足し、延べ100名以上の物販プレイヤーを輩出。その経験から学んだ物販の極意を発信していきます。NOAH公式LINEにて無在庫物販に関するお得情報を無料配信中! → 詳しいプロフィールはこちら
この記事の執筆・編集者:高井
中古カメラのeBay輸出販売で起業するも、作業の多さから続かずにeBay、Amazon、中国輸入の無在庫販売へ転向。 一定の成果を出し、新型コロナ蔓延による国際輸送費の値上がりにを機に、兼ねてより興味のあったWebライターとしても活動を開始する。物販とライティング二足の草鞋で活動中。
ラクマで偽物が扱われる背景
出典:楽天ラクマTwitter公式
ラクマは創業は2014年であり、当時において販売体制やサポートが不十分なところもあって、偽物ブランド品を出品する業者も多くいたと言われています。
ただし、現在ではラクマも24時間体制でパトロールしており、偽物対策機関と連携を強めて警戒にあたっています。
しかし、それでも一部の業者や個人が偽物ブランドを販売していることがあるようです。
偽物ブランドの販売はラクマに限ったことではなく、商品の品質も本物に近づき、販売の手口も巧妙となってきているので油断は禁物です。
ここでは、どのような偽物ブランド品がどこから流れてきて、どのように販売されているのかを解説します。
コロナ禍を経て偽物の流入が増加
まず、下表を見てください。
平成16年から令和4年までに、税関で差止された知的財産侵害物品の件数・点数の推移です。
・
出典:財務省ホームページ・令和4年の税関における知的財産侵害物品の差止状況
新型コロナのまん延が始まった令和2年に、一気に差止件数が3万件を超え、その後も件数は減少するものの差止商品の点数は増加を続けています。
コロナ禍で外出規制や自粛が敷かれた環境下においても、偽物ブランド品などの流入が増加した背景は、ネット販売が目的であった可能性が大きいです。
実際、税関をすり抜けて市場へ出回った商品も多かったでしょう。
流入品の約7割以上は中国からのファッションアイテム
輸入差止件数の仕出国の内訳をみると、下図の通り中国が圧倒的な割合を占めており、令和4年も20,461件(構成比75.9%)でした。
近年の中国輸入ブームの影響が大きいことが見て取れ、やはり中国からの商品は偽物に要注意です。
出典:財務省ホームページ・令和4年の税関における知的財産侵害物品の差止状況
差止となった品目を件数で見てみると、下図の通りバッグ類・衣類・靴類・時計類のファッションアイテムで7割を占めています。
出典:財務省ホームページ・令和4年の税関における知的財産侵害物品の差止状況
輸入差止となった知的財産権侵害物品の内訳を要因別で見てみると、下図の通り商標権侵害品が約95%と圧倒的です。
つまり偽物ブランド品が、輸入差止の原因の殆どなのです。
出典:財務省ホームページ・令和4年の税関における知的財産侵害物品の差止状況
税関での摘発事例に見る偽ブランド品流入の実態
税関での摘発事例を見ると、バック類、衣類、財布などのブランド品が多く、一例ですが下図のようなものが差止めとなっていました。
出典:財務省ホームページ・令和4年の税関における知的財産侵害物品の差止状況
下図は神戸税関で、商標権を侵害するバッグ等1,387点を中国から密輸入しようとした法人及びベトナム人2名を関税法違反で告発したときの証拠画像です。(令和4年6月)
出典:財務省ホームページ・令和4年の税関における知的財産侵害物品の差止状況
偽物ブランド品の持ち込みは、毎年、手口が巧妙となっており、下記の事例のように税関と業者の知恵比べの戦いが繰り広げられています。
①自動車用ブランクキーの標章部分をシールで覆い隠匿
②衣類の中に商標権を侵害するバッグを隠匿
③他の物品の外箱の中に商標権を侵害する医薬品を隠匿
④電源アダプターの標章部分をシールで覆い隠匿
これら以外にも偽ブランド品を持ち込もうとする業者の手口は様々で、税関の摘発ケースから学んで年々進化しているようです。
ラクマで偽物ブランドを扱わないための知識
前述のとおり、偽物ブランド品はほぼ中国からやって来るのは間違いなく、我々は正しい知識で対処する必要があります
ここでは、偽物ブランド品にもランキングがあり、それがどこで製造されてどのようにラクマなどのECサイトで販売されているのかを見ていくことで、偽物ブランド品に関する知識を増やしましょう。
偽物商品のランキング
偽物には誰がみても偽物だとわかる商品から、材質、性能が本物とほぼ同等に精巧につくられ見分けが難しいものまでさまざまで、下記のようにランキングされています。
A級品:誰がみても粗雑さがわかり偽物だと判断できる
S級品:素材は天然品などを使用しているがランクが低い材質で本物に及ばない
SS級品:高級素材を使用しているが、本物よりはランクが落ちるので偽物とわかる
N級品:素材も仕上げも本物と同等レベルで見分けが難しい
ランクの低い偽物ブランド品は、ネット画像で騙されて購入したとしても、商品を手にすればわかるでしょう。
しかし、N級品となれば素人では見分けが難しく、専門家の鑑定を仰ぐしか方法がありません。
このN級品のNは中国の偽ブランド品専門工場の名前に由来しているという説もあり、出所が中国である可能性が非常に高いです。
実際、ブランド好きで偽物でも欲しがる日本人がターゲットだと、中国・広州の販売会社が語っていました。
「個人が使うだけなら違法ではない」と謳っているようですが、業者の偽物販売はブランド商標権の侵害にあたるのです。
ただし、偽物工場が海外にあるので、ブランド側からは摘発が難しいとされています。
偽物ブランド品はどのようにフリマアプリへ流れてくるのか?
ロレックスの偽物が7~10万円、エルメスのバッグの偽物が3万円からなどのN級品は、悪徳業者がSNSを通じて販売しているようです。
インスタグラムやユーチューブで広告を出し、LINEへ誘導する手口だと言われています。
そういったルートで購入した個人や業者が、フリマアプリで偽物ブランド品を転売していると推測されます。
格安で販売するといっても、ハイブランド品の偽物であれば数万から数十万円で販売できるので、販売手数料が安いラクマが狙われてもおかしくないでしょう。
しかし、偽物ブランド品の転売は、商標法違反の罪に問われる可能性があります。
偽物ブランド品を売買してはいけない理由
偽ブランド品の購入や転売は、そのブランドの知的財産権を侵害するだけでなく、ブランド価値が生むはずの利益をそこなうことになります。
もしあなたがブランドを開発し利益を得ているところへ、偽ブランドが現れたケースを想像すると、なぜ偽物販売がいけないかが想像できるでしょう。
また、偽ブランド品の製造販売業者は悪質な違法業者です。
偽ブランド品の購入は、そういった犯罪組織の資金源となるだけでなく、購入者の個人情報やクレジットカード番号などをスキミングし悪用する例も報告されています。
このように偽ブランド品を買うことは、たとえ自分の自己満足のためだけでも、不利益をもたらす可能性があるので避けるべき行為なのです。
ラクマの偽物ブランド品の特徴と確認方法7選
偽物ブランド品がラクマなどのフリマアプリで販売されている可能性は、今でも消えてはいません。
ラクマでも取締り強化をしてますが、N級品となると見分けが難しいのが実情です。
そこで、ここではラクマにおける偽物ブランド品の特徴や購入時の確認方法を解説しますので、参考にして被害にあわないようにしてください。
1.出品価格が相場に比べて極端に安い
通常100万円くらいの価値があるブランド時計が、30~50万円といった極端に安い価格で販売されていれば、たとえ中古品であっても偽物を疑ったほうがいいでしょう。
なぜなら、100万円もの価値がある本物であれば、キズものでない限りいくら安くても80万円以上で販売するのが販売者として普通だからです。
それが破格の値段で販売されている場合、仕入れ価格も破格だったに違いありません。
フリマアプリだから安いと思うと、偽物をつかまされることになるでしょう。
2.商品画像が少ないか実際の画像でない
商品画像が、下記のようなケースであれば偽物を疑いましょう。
・ブランドの公式サイトの写真しかない
・画像が1~2個しか載せられていない
・画像が全体的に暗かったりピントが合ってない
正規品を所有している出品者であれば、むしろ購入者に安心してもらうために、多くの鮮明な画像を載せるはずです。
そこをごまかしている雰囲気が感じられる場合は、購入を避けるのが賢明です。
購入を検討したい場合は、別の角度からの商品画像やより鮮明な画像を数枚リクエストして反応を見るといいでしょう。
3.商品説明が雑で不自然
画像と同様に商品説明が雑であったり簡単過ぎる場合は、偽物の可能性があります。
また、下記のような但し書きがある場合も要注意です。
・知り合いからの譲り物です
・神経質な人や完璧な商品をお探しのかたはご遠慮ください
・メーカーサポートはございません
これらは販売者として事前に言い逃れをしているセリフなので、特に高額なブランド品では注意が必要ですね。
4.保証書の画像や説明がない
画像に保証書が映っていなかったり説明文に記載がない場合は、偽物かもしれないと疑う慎重さが必要です。
ブランド品販売の場合は、相手に安心して購入してもらうために、保証書が付いていることを強調するのが普通の出品者です。
したがって、保証書の記載がない場合は購入する前に有無を確認し、保証書を失くしたという場合はブランド品に打たれているはずのシリアルナンバーの画像を要求してみて下さい。
リクエストに応じられない場合は、怪しさ満点なので取引をやめましょう。
5.正規品にはないデザインや形の商品
画像でみて明らかにそのブランドのラインナップにあり得ない商品を見たら、偽物と疑ったほうがいいでしょう。
例えばバーバリーのスプーンやフォーク、グッチの足袋などは正規店で販売されていません。
もしあったとしたら偽ブランド工場で製造された可能性が高いので、避けた方が無難です。
判断に迷う場合は、購入した店の名前を聞いてみるといいでしょう。
通常、高価なブランド品を購入したときは、その店舗を覚えているはずですので、明確な答えが得られない場合は偽物の確率が高いです。
6.出品者の評価が悪い
ラクマでは出品者の評価が5点満点で表示されていますが、これが3点以下の明らかに低い評価であれば、購入を避けた方がいいでしょう。
推奨は4点以上ですが、評価内容が気になる場合は星印マークの下の「評価を見る」ボタンを押すことで、下図のように購入者のコメントをみることができます。
また、商品説明を読んでいて日本語がカタコトで違和感を感じる場合は、相手が外人であることも考えられます。
外国人がすべて偽ブランド品を販売しているわけではありませんが、分からないことは質問するなど、慎重に対応したほうがいいでしょう。
7.評価が0の出品者
評価が0の状態で高額なブランド商品を出品している場合は偽物の可能性があります。
ブランド品などの高額商品を出品する場合は、出品者としてある程度の信用を築いてから行うのが通常のパターンですので、最初からブランド品を出品している場合は、違和感を感じるくらいが十分です。
なぜなら、偽物であることがバレた場合のアカウント停止などを想定し、売り逃げをする「捨てアカ」の可能性があるからです。
ラクマで偽物を購入してしまったときの対処法
十分に注意を払って購入したとしても、念のため鑑定してもらったら偽物だったということもあるかも知れません。
N級品であれば税関をすり抜けて販売されている可能性もあるでしょう。ここでは、そのような時のために取るべき対処法をまとめました。
受取評価はせずに出品者に返品・返金を求める
ラクマでは受取評価をすることで取引が終了し、後で偽物だと判明しても運営側のサポートを得ることはできません。
したがって、届いた商品が明らかに偽物であった場合は、受取評価をせずに返品・返金の交渉を行いましょう。
相手が連絡を絶つなどして交渉がこじれた場合は、カスタマーサポートセンターへトラブルの報告をすることで、解決に向けたアドバイスを受けることが可能です。
受取評価前であれば商品代金はラクマ側で管理されているので、相手の非が明確となれば取引はキャンセルされ、商品代金は戻ってきますよ。
ラクマのあんしん補償鑑定サービスを利用する
出典:ラクマホームページ・ラクマあんしん補償鑑定サービス
受け取ったブランド商品が偽物の疑いがある場合、ラクマのあんしん補償鑑定サービスを利用しましょう。
ラクマを通してプロの鑑定士に鑑定依頼ができ、偽物と判明した場合は運営側で取引がキャンセルされ商品代金が返金されます。
ただし、鑑定可能なブランドは限定されているので、事前にホームページで調べておきましょう。
外部機関に相談する
取引評価をすでに完了してしまった場合や、ラクマの対応に納得がいかなかった場合は、泣き寝入りせずに下記の外部機関へ相談することをおすすめします。
勇気ある行動が犯罪の温床となっている業者を明らかにし、ネット販売の健全化に役立つ可能性もあります!
まとめ・ラクマを上手く利用して転売を成功させよう!
ブランド品は人気があるため、転売で扱うと稼げる可能性が高いのは事実です。
しかし、今回の記事で解説したように、そこにつけ込んだ業者も多く、手口も巧妙で最近では本物と見分けが難しくなってきています。
SNSなどを通じて流れてくる通常では考えられない低価格のブランド品は、偽物製造工場で作られた商品と思って間違いないです。
目先の儲け話に惑わされて購入すると、たとえ個人利用が目的でも犯罪組織に加担したことになるので、軽はずみな行動は控えましょう。
ラクマなどのフリマアプリでの購入においては、紹介した偽物の見分け方法を活用することで、難を逃れられることが多いので、ぜひ活用してください。
また、ブランド品を取り扱わなくとも、フリマアプリで稼ぐ方法はいろいろありますので、下記のような記事を参考にしてみてください。
コメント